過去ログ - アレイスター「鋼盾掬彦、か……まったく、たいしたイレギュラーだよ」
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476: ◆FzAyW.Rdbg[saga]
2011/09/23(金) 22:49:33.17 ID:vBGAxEmFo



 鋼の盾。なるほどその名は守護者たらんとする眼前の少年に良く似合っている。

 誰かの代わりに傷つくことを厭わぬ覚悟は、尊い。


 だが。


「しかし――私にとっては鋼も紙と変わりませんよ。
 貴方では、貴方たちでは盾にはなれません」


 七天七刀を軽く撫で、淡々と、神裂は言葉を紡ぐ。

 哀しいかな鋼程度では、神すら引き裂く聖人の斬撃を受けることなど叶わない。

 防げぬ盾など重いだけだ、そんな荷物を擲って空手で逃げ出すべき局面というものは、確かにある。

 今回の一件は、そういうものだ。


「あの子を掬い上げる事は叶いません、
 鋼盾掬彦、あなたの掌には……いえ、それこそ釈迦のそれでもない限り、誰の手にも余ります。
 10万3000冊の魔道書。科学の街の住人たる貴方には、想像もつかぬ無窮の咎闇ですよ」


 触れるべきではない。

 貴方たちはひどく真っ当だ、いっそ眩しいほどに。

 自分たちのような異端に巻き込まれるべきでは、ない。


「この場は譲りますが、次はありません。
 貴方も、そちらの彼も。これ以上はこちらに踏み込まないように。
 ―――貴方たちでは、私には絶対に勝てません」


 今代のパートナー(とはとても言えぬほど短い時間ではあったが)である彼らも、何も成せずに終わるだろう。

 今ならまだ傷は浅く済む筈だ、自分やステイルのように手遅れにならずに済んだのだから、彼らは幸運かもしれない。


 忘れてしまいなさい

 悪い事は言いません、あの子のことなど、忘れてしまうのです

 ―――あの子も忘れてしまうのですから





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