過去ログ - アレイスター「鋼盾掬彦、か……まったく、たいしたイレギュラーだよ」
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598: ◆FzAyW.Rdbg[saga]
2011/10/02(日) 14:13:26.41 ID:phfFLMSyo



「でもコウやん……コウやんは言った
 “記憶を失ったただの女の子が、覚えてもいない宣誓と宿命に縛られるのが許せない”と」


 そう

 あの子には、理不尽な喪失に怯えるインデックスにはそんなものは関係ない


「そしてカミやんもこう言った
 “俺たちの勝利条件は、あの子の笑顔を守り続けることだ”と」


 そう

 あの子が喪失の恐怖に怯えなくて済むようにしてやらねばならない


「まったく、小っ恥ずかしい台詞だにゃー。素面とは思えないんだぜい」


 誂うように、土御門は微笑む

 優しい声で、言葉を紡ぐ


「……でも、響いたよ、痛快だった…………あれは、ヒーローの台詞だ。
 オレがずっと待ってたヒーローの、オレにはなれなかったヒーローのセリフだ」


 それは確かに自分たちの台詞

 小萌宅で上条たちと再会したあの夜

 ぼくらは確かにそれを誓った、ぼくらは確かにそれを掲げた

 一体どんな手段を用いてか、その会話を土御門は聞いていたらしい

 
「そんな言葉ひとつで、オレは」


 誠実なる裏切り者たらんと誓った少年

 土御門元春、不転を謳った筈の綱渡りのピエロは無様にバランスを崩し、落ちて、

 そして


「もう、取り繕えなくなってしまった」


 土御門はサングラスを外す。

 一学期まるまる共に日々を送ってきたクラスメイトの素顔をみるのは、笑ってしまうことにこれが初めて。

 意外な程に整ったその顔に浮かぶのは、ついぞ見たことのない真摯な表情。

 上条も青ピも小萌も吹寄もクラスの皆も、誰も見たことのないであろう真剣な眼差し。





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