過去ログ - アレイスター「鋼盾掬彦、か……まったく、たいしたイレギュラーだよ」
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940: ◆FzAyW.Rdbg[saga]
2011/11/03(木) 23:14:49.48 ID:rmk5sWBdo


「……ああ、よく帰ってきてくれた。
 ―――だがね、無理をすることはないんだよ。
 君にはこの車を降りて、彼女と一緒に家に帰ればいい。

 ……続きを、楽しんでくればいいさ」


 木山は笑みを絶やさずに、そんな台詞を言う

 己になど関わるなと、笑ってみせる


 だが、鋼盾も決意の表情を崩すことなく、獰猛な笑みを浮かべた


「……まさか。
 そんな道は選ばないし、そんな道を己に許しはしません」
 
「艱難辛苦、あえて受難の道を往く、か。
 後悔しなければいいがね―――険しい道の先だけに幸せがあるわけじゃないよ。
 人は誰しもが賢者になれるわけじゃない、そしてえてして愚者の方が多くを掴むものだ」

「……それでも、ぼくは……その道を諦めたくはないんです」


 己の欲望を律しきれぬ者が賢者を名乗るなど烏滸がましい

 その程度の輩は使用済みのティッシュのようにぐしゃぐしゃの愚者だ


 賢者たるものの第一の素質は、克己

 己の弱さ卑しさを知り抜いて尚それに流されぬこと


 認めることと諦めることは似ているようでやはり違う


 劣情に流され、ソレを人間らしさと嘯くような開き直りを己に許してはならない

 悟りきった顔をした俗物を、鋼盾は賢者などとは呼ばない

 
「――無知の知は、言い訳のための言葉じゃない。
 あれはきっと、戒めのための言葉なんです」


 鋼盾掬彦には、目指すと決めた道がある

 鋼盾掬彦は、既に本物の賢者を知っている


 なればこそ、迷いなどありえない


 なんならここで誓え、鋼盾掬彦。

 もう一度、否、何度でも。





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