10: ◆BMkVgrQB5qSZ[sage saga]
2011/08/12(金) 00:59:27.92 ID:BFRrGUMm0
そんなコントのようなことを繰り返しているうちに、二人はCD屋の前に来ていた。
早速、さやかはお目当ての曲を探す作業に取り掛かる。
まどかは適当な新譜を見つけて、試聴している。
――助けて。助けて、まどか。
音楽を試聴し始めて十数分後、まどかの頭の中で突然、声が響いた。
彼女は不思議に思いながらも、声のする方へふらふらと、ひとりで歩いていく。
立ち入り禁止の看板を無視して、助けを呼ぶ声に導かれるまま、暗い通路を進む。
進んだ先の開けた場所で、白くて、小さい生き物が傷を負って倒れていた。
彼女は、その猫のような、狐のような生き物の傍へ駆け寄るとすぐさま、やさしく抱えあげた。
「鹿目まどか、そいつから離れて」
「あなた……誰なの? どうして、私の名前を知ってるの」
「今のあなたがそれを知る必要はない。どきなさい」
「でも、この子、怪我してるよ。この子をどうするつもりなの?」
まどかの行動に少し遅れて、変わった服装をした、長い黒髪の少女が姿を現す。
現実では会ったことがないはずだが、まどかは目の前の少女に見覚えがある――あの夢で逢った子だ。
暗い部屋の中を、瞳から冷酷な光を放ちながら、悪夢を思い出させる少女が無言で近づいてくる。
懸命に白い生き物を守ろうとするも、恐怖に襲われて、まどかは足がすくむ。
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