2: ◆BMkVgrQB5qSZ[sage saga]
2011/08/12(金) 00:48:22.75 ID:BFRrGUMm0
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「ねえちゃ、どうしたの?」
「まだ寝てるみたいだね。そろそろ起こして来ようか?」
鹿目知久が、息子の鹿目タツヤの質問に穏やかな声で答える。
それを聞いて、鹿目詢子は夫の知久を制止すると、席を立った。
「……いや、時間もあるし、あたしが見てくるよ」
ほんの少しだけ、寂しい朝。いつもと違う鹿目家の食卓風景。
違いは一つ。普段なら、とっくに起きているはずの、まどかがいないこと。
たった、それだけ。そう、それだけのことに過ぎない。
けれども、まどかは朝寝坊なんて滅多にしない子だった。
最近はなかったのだが、親友と大喧嘩をして、精神的に疲れてしまったとき。
もしくは、体調を崩して、体を起こすのもつらいとき。
過去にあったのは、この二つの事例ぐらいだ。
だから、鹿目詢子は心配だった。嫌な予感がしていた。
大切なまどかが苦しんでいる予感が。
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