7: ◆BMkVgrQB5qSZ[sage saga]
2011/08/12(金) 00:55:06.03 ID:BFRrGUMm0
別の話題――まどかが遅れて登校したころには、すでに早退していた転校生の話を、仁美が切り出した。
さやかも興味津々な様子で返事を待っている。
まどかは転校生の名前に聞き覚えがあった。だが、それは忘れたい昨晩の悪夢で聞いた名前だった。
脳裏に惨劇が浮かび、少し怖くなった彼女は、同席している親友のことを考える。
まどかが遅刻した原因を話したとき、さやかと仁美は内容について深く追求しなかった。
真っ赤に泣き腫らした目を見て、どれほど怖い思いをしたのかを、二人は察してくれたのだろう。
まどかは親友のそんな心遣いがうれしかった。だから、彼女は小さな嘘をつく。
「う〜ん、会ってみないとわかんないよ」
「あら、それは残念です」
「ん? そっか。なら、ほかの話でもしよ」
今度は、素敵な恋愛のあり方について楽しく語り合う。
仁美がお茶の稽古で席をはずすまで、にぎやかな談笑は続いた。
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