11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/08/13(土) 12:47:23.17 ID:Gu3hpdcq0
まるでさっきの俺のようにぼけっと突っ立っている中学生バージョンに声をかけた。
が、しかし、その沈黙もつかの間であることすら俺は知り尽くしてしまっている。
それから、「ふ、ふーん、やるわね」だかなんだか言った後、
中学生バージョンはピラミッドを作る奴隷が如く俺をこきつかった。
アメとムチの、アメのないばかりか、やたらととげのある物言いでムチのような言葉を俺へとただひたすらに振り下ろし続ける。
「あっ、そこ歪んでいるわよ!何やってんのよ!」
もう142856回、このメッセージを俺はこのグラウンドに書いてきた。
さすがの俺でもこのメッセージはこいつの指示なしでも書けるのだ。
人間の脳というのはやたらと不思議なもんで、教科書の文字というのは一切覚えていない代わりに
どうでもいいことはやたらと覚えているもんである。
たとえば、小さい頃に食べたさほどうまくない駄菓子の味や、
2人で雨宿りをしたときの、佐々木の言ったなんてことない一言が、
いまでもどうしてかふとした瞬間に思い出されたりする。
そのような人間の脳の特性を生かさずに、
142857回目の指示をそれでもやっぱり必要とするのは
俺の胸のうちのどっかで、こいつに接していたいという思いがあるからなのだろうか。
そんな考えが頭の脳細胞中を駆け巡りシナプス間隙から神経伝達物質が分泌される頃、
俺はパブロフの犬のように、たまらずこの一言をどうしてかもらしてしまうのである。
「やれやれ」
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