46:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2011/08/17(水) 00:03:46.51 ID:c+5+k8k3o
しかし、私とムギちゃんは、壕の近くに米兵がいると聞いて、なかなか脱出できませんでした。
しばらくすると、数名の衛生兵さんたちが、ズカズカと壕に入ってきたのです。
衛生兵は、練乳を水で溶いたミルクを入れた飯盒をいくつか持っていました。
そして、ミルクを空き缶に注いで重傷兵さんたちの側に置いていきます。
「あの……手伝いましょうか?」
ムギちゃんが、衛生兵さんの一人に声を掛けました。しかし、
『何をモタモタしとるか貴様ら!敵が迫ってるんだ!早く行かんかっ!』
「ひ、ひぃ!」「ひぇぇ…」
すごい剣幕で衛生兵さんに言われた私たちは、壕の入口のほうへ退きました。
すると、配られたミルクを飲んだ重傷兵さんの一人が、ウンウンうなって苦しんでいます。
「え? ……もしかして、これ…?」
ムギちゃんの色白な顔から、さらに血の気が引き、蒼白になります。
「え、衛生へ……モゴモゴ!」
私は、苦しんでいる患者さんを診てもらおうと、衛生兵さんを呼ぼうとしました。
「黙って!」
しかし、ムギちゃんに口をふさがれます。
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