過去ログ - 唯「ひめゆり」
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63:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2011/08/17(水) 19:24:16.35 ID:c+5+k8k3o

それを聞いた私は、とっさに叫びます。


 「……唯ちゃん、これ!」

 「え!?」


私は、自分の使っていたハンカチを唯ちゃんの口にあてがいました。

とまどった唯ちゃんは、ガスで真っ赤に腫らした目で、一瞬ためらっていましたが、

私が小さくうなずくと、唯ちゃんは顔に押しつけるように、必死でハンカチを口にあてがいました。



私は、被っていた防空ずきんをモンペの上からあてがって、おしっこで濡らしました。

それで口と鼻をふさぎますが、息は苦しくなるばかりです。

吐き気がするほど気分は悪くなり、次第に、意識は薄れてきました。


涙が、ボロボロ、ボロボロと溢れます。

もちろんガス弾のせいもあるでしょう。

しかし、それだけではありませんでした。


 (こんな日も当たらない穴蔵の底で、虫けらみたいに死ぬなんて!そんなのイヤ!)


そう思うと、悲しくて、悔しくて、寂しくて、涙が際限なく流れるのです。

そして、私は、必死で祈りました。祈り続けたのです。


 (戦争が終わったら、もし、戦争が終わったら)

 (またみんなで学校に行って、歌を歌って、お茶を飲むのが夢だったのに!)

 (またお腹いっぱい、みんなでおいしいお菓子を食べて笑うのが夢だったのに!)

 (こんなところで、死んでたまるか!)

 (死んでたまるか!……!……  ……  …




―――このときの米軍の攻撃で、ひめゆり学徒隊の教師四名、生徒三十八名をはじめ、壕内の八十余名が死亡した。

この地が、現在「ひめゆりの塔」が建立されている伊原第三外科壕跡である―――


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