94:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2011/08/17(水) 21:50:16.14 ID:c+5+k8k3o
「『戦陣訓』も私たちみたいな“艦砲の喰い残し”には、もう何の意味もないわね」
「姫子さん……」
私たちのいるバラックの前を疾走してゆくジープの上で、酒と日焼けで赤ら顔になった米兵たちが歓声を上げていました。
姫子さんが寝台に腰を下ろし、外の景色を見遣りながらつぶやきます。
「やはり、日本は負けたんですって。米兵のバカ騒ぎは、その祝勝会」
私は、その姫子さんの言葉を聞いて、ヘアピンをいじる指を止めました。
「……そう、ですか」
視界の中では、昨日と同じように、収容所のバラックとテントの群れが、炎暑の下でかげろうに揺れています。
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