過去ログ - インデックス「……おめでとう。とうま、みこと」
1- 20
4: ◆jVYAigOtyU[saga]
2011/08/15(月) 22:08:14.71 ID:vCfH7hl3o


「珍しいね! とうま、何かいいことあったの?」

「いやー。聞いてくれよインデックス! 今日帰り御坂に会ってさー。
極貧の上条さんを哀れに思ったのか、色々奢ってもらっちゃったんだよな」

「……短髪に?」

だが上がったはずのテンションもすぐにダダ下がり。
くい、と下がったインデックスの声のトーンに上条当麻は気がつかなかったらしい。

「おう。さすが常盤台のお嬢様は違うよな。
あいつ、なんかまた一緒に申し込んで欲しいキャンペーンがあるらしくってさ。借りを作るのは嫌だから、だと。
まあ、奢ってもらった金額に比べたら安いもんだよ。
この愛玩奴隷上条当麻、何処までも美琴様についていきますー、ってな」

返す上条の声はあくまで普通で、まるでなんでもないことのように聞こえた。

このギネスに載っても恥ずかしくないほどの鈍感野郎め。
何が悲しくて好きな男の他の女とのデート風景を聞かされねばならぬのか。

己の安易な質問を今更悔いてこっそりと心中で毒づく。
インデックスはぷくっと頬を子供っぽく膨らませると、
芳しい薫りに気を取られつつもなんとか乙女のジェラシーを保ったまま上条を睨みつけた。

「……あれ、インデックスさん、もしかして怒ってます?」

「怒ってないもん!」

そこに込めた少女の無言の主張はやはり汲み取られることはない。

仕方がないことだ。
上条当麻の救いようのない鈍さは何も昨日今日始まったものではない。
もう一年以上も前になるベランダでの邂逅から二度の死を以ってしてなお、彼は鈍感だった。
バカは死んでも治らないらしいが鈍感も死んでも治らないらしい。



<<前のレス[*]次のレス[#]>>
392Res/334.14 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice