136:ハジメテ ◆oEZLeorcXc[saga sage]
2011/10/20(木) 16:53:29.11 ID:vvqVtp9F0
ソファの塊は私の腕を掴んだまま微動だにしない。
タオルケットにすっぽり包まれていて顔は見えないがどうやら寝ているらしい。
つまり私を驚かそうと腕を掴んだわけじゃなくて、寝惚けてるだけなのか。
タオルケットから手だけ伸びてると少し怖いなぁ。
「痛っ……」
解こうとした手の力が大きくなり、少し痛いくらいまで強くなる。
「――、―くれ」
「垣根、さん?」
「やめて、くれ」
声が聞こえた。
「俺が、俺が」
声は徐々に大きくなる。
腕を掴む力も強くなり、あまりの力に小さく震えている。
「俺が、―――」
言葉の最後は声になっていなかった。
辛そうな、苦しそうな、悔やんだような声。
いや、苦しんで悔やんでいる声なんだ。
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