246:たとえばこんな滝壺さん ◆oEZLeorcXc[sage saga]
2012/01/26(木) 14:42:24.05 ID:Yt32AAJ30
夕暮れ。
俺は彼女である滝壺理后と肩を並べて歩いていた。
『アイテム』最後の会合の帰り道を。
「はまづらは何書くの?」
「ああ、これか?」
これとは日記だ。
最後だからといつものファミレスを出てセブンスミストを歩いていた。
その時に四人で購入した日記帳。
「うん」
「何書こーかねー……日記なんて小学生の時以来だからなー」
「小学生の時は書いてたんだ」
「夏の宿題でな」
「どうだった?」
「三日どころか一日もかかなくて八月三十一日にダチと集まって三人で書いたんだよ。んで後から担任にバレてエライ目にあった」
「どうして分かったの?」
「内容が三人とも同じだったんだよ」
「それはバレるね」
「一応、出てくる名前とかは変えてたから大丈夫だと思ってたんだ……今考えても浅はかすぎる」
「だね」
日記なんてその程度のものだった。
だからこれは少し俺には重すぎる。
「滝壺はどうするんだ?」
「どうしようかな」
その声はどこか楽しげで。
その声はどこか寂しげで。
「……なあ、よかったのか?」
「何が?」
「『アイテム』の解散だよ。絹旗と同じでもっと嫌がると思ってた」
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