4: ◆oEZLeorcXc[saga sage]
2011/08/17(水) 16:06:33.53 ID:5Lu3WJlC0
「襲う? 別にいいけど……貴方みたいな童貞の白もやしにできるのかしら?」
小さな部屋に淡々とした声が響く。
声の主である赤毛の少女は2シーターほどのソファの真ん中に深く座り、体重を預けている。
その身に着けているのは青いスカートと金属の板でできた飾りのベルトだけで上半身には何もつけておらず、誰が見ても小さいとは言えない豊満な胸が露出していた。
その手には何も持っていない。
怖がっても強がっても嘆いても悲しんでも憂いてもいない、何の揺らぎも感じられない平坦な声。
かすかに見える感情は子供を愛でるような嘲笑。そして少しだけ圧迫された体勢からくる若干の苦しみ。
「そもそも私の体型じゃ貴方の趣味には合わないんじゃない? その粗末なモノが勃つのかしらね」
赤毛の少女の目の前には一人の少年がいた。
全体的に線の細い、白髪で白い陶磁器のような肌を持つ少年で、宝石のような赤い目をしている。
整った顔と相まって、神話時代の彫刻やビジュアル系バンドのメンバーのようにも見える。
その赤い目に宿る暗く、深い夜のような鈍い闇がなければ。
白く細い少年はソファの背もたれにその手を置き、赤毛の少女を数センチの距離で見据えている。
額が、鼻が、唇が、ほんの少しでぶつかってしまうそんな距離。
赤毛の少女は静かな水面のような澄んだ瞳と優しい微笑みを浮かべ、白い少年を見上げている。
白い少年は面白くなさそうな淡泊な表情で、赤毛の少女を見下ろしている。
「分かった」
言葉とともに白く細い少年の綺麗な顔がぐにゃりと笑みで歪む。
楽しそうに。
愉しそうに。
愉しそうに。
タノシソウニ。
深い深い心の奥底から本当に本当にタノシソウニ笑う。
「望み通り―――――食い尽くしてやるよ」
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