47:Until reaching the starting line ◆oEZLeorcXc[saga sage]
2011/08/21(日) 17:45:54.46 ID:rY6iS8KI0
「はい。ブラックでよかったわよね」
「………………」
「ありがとうなんて言葉は期待してないけど、何か言いなさいよ」
「缶コーヒーが出てくると思ってンだよ」
「それはどういう意味かしら?」
「あの料理そのものを冒涜した野菜炒めを知ってると……なァ?」
「何がよ!! インスタントくらい入れれるわよ!!」
「いやァ……なンか、スミマセン」
「…………その反応すごくむかつくわ」
交わされるのは何気ない会話。
先ほどまでよりは自然な会話。
いつも通りで、あの日までと同じ他愛もない会話。
「そもそも缶コーヒーなんて家に常備するようなものじゃないでしょうが」
「え?」
ただその会話とは裏腹に。
少女の心臓は早鐘のように鳴り続けている。
「何その意外そうな顔? ……そういえば前、コンビニの袋に大量の缶コーヒー持ってたわね」
少女なりに理由は分かっているつもりだ。
「たしかコンビニ帰りに呼び出された時はあったなァ」
一つはこの部屋に初めての他人を上げた事。
彼女には親しい友達はいなかったし、この部屋を知っているのは家族みたいな小さな教師だけだ。
故に少年が初めての客と言える。
279Res/223.63 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。