54:Until reaching the starting line ◆oEZLeorcXc[saga sage]
2011/08/21(日) 17:56:43.47 ID:rY6iS8KI0
自ら伸ばした手にすら戸惑う私に畳み掛けるように
一方通行がくるりとこちらに振り向いて
私を抱きしめた。
「へ?」
思考がついて行かず、呆けた言葉しか口にできない。
「え? あ」
「期待されてたみてェだからな」
「き、期待なんて……」
「してなかったってか?」
反論はできなかった。
それはコイツの言うように実は期待していたからそういう事ではなく。
ニヤリと笑った顔が怖かったり、少し子供っぽくて可愛いなんて思ったわけでもない。
抱きしめる力に対して形だけの抵抗――あの日と同じような行動――をしていたからでもない。
単純な話だ。
「ま、どっちでもイイけどなァ」
唇が塞がれたまま反論ができるほど、私は器用じゃない。
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