61:Until reaching the starting line ◆oEZLeorcXc[saga sage]
2011/08/21(日) 18:11:54.84 ID:rY6iS8KI0
言ってしまえばさっきの惚気話も同じだ。
「にしても高校は長点上機、彼氏は世界を救った英雄。順風満帆ね」
夏のこの時期に高校進学先はほぼ決定。それも学園都市トップの高校に。
一般には知られてないが付き合い始めた彼氏は世界の危機を救った張本人の一人。鈍感だが性格はかなりいいし、見た目も悪くない。
才色兼備。文武両道。
中学三年生としては可愛げがない。
だからこそ彼女の今の悩み――付き合い始めた彼氏との接し方と少し成長の遅い胸――を聞くとすごく安心をさせられる。
「そんな事は…………あるか」
「あら、やけに素直じゃない」
「だって今、いろいろ上手くいってばかりなのは事実だし」
過度な謙遜は相手を貶めるだけ、それは誰の言葉だったか。
「それはよかったわね」
口だけの同意をする。
付き合い始め、一番楽しい時期なんだろうけれどそれでも拭えない不安はあるのを知っている。
隣の芝生は青い。
最高の幸せを知っているからこそ最悪の不幸が怖い。
私達は世の中が幸せだけでできていない事を知っているから。
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