64:Until reaching the starting line ◆oEZLeorcXc[saga sage]
2011/08/21(日) 18:16:35.91 ID:rY6iS8KI0
「遅かったじゃねェか」
少年は部屋に入ってきた少女に話しかける。
少しだけ不機嫌そうに。
「別に時間まで決めてないじゃない」
今日は少年からだった。
その前は少女からだった。
更にその前はどちらからだったか。
彼らは二度目の夜から度々その体を重ねていた。
どちらからでもなく
どちらからともなく。
どちらからも。
あったのは暗黙の了解だけで決めたルールは特になかった。
そもそも学園都市の人口はそのほとんどが学生のために夕方を過ぎればほとんどの施設が閉まってしまう。
夜の学生の用事など宿題か夜遊びくらいだ。
故に時間を決める必要はなくとも夜九時には二人とも体が空いていた。
「ま、たしかに」
今の時刻は夜十時。
珍しい時間ではあったがおかしいというわけでもない。
「一つ、聞いていいかしら」
「……何だ?」
少年は少しだけおかしいと思いながらも少女の言葉にただ従う。
「私は―――
―――私は、何?」
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