27:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(岡山県)[sage saga]
2011/09/06(火) 23:32:01.30 ID:FAdaM4nCo
「大丈夫か?」
「う、うん」
左隣に腰掛けた上条の問いに、美琴は赤い頬のまま頷いた。
基本的に休日に遭遇することがなかったせいで、完璧に油断していた。
その上に今朝の夢である。
(し、静まりなさいって、この・・・)
ドキドキと胸は鳴り止まないが、それを悟られるのも恥ずかしい。
美琴は膝の上に缶ジュースを持った姿勢のまま、静かに深呼吸を繰り返した。
「……」
ちらり、と目だけ動かして上条の方を伺う。
上条は背中をベンチに預けながらもこちらを見ていたらしい。
目があった。
「!」
ひゅぼっ! と美琴の顔が燃え上がり、またも俯いてしまう。
(なななななな、なんでこっち向いてんのよ!)
頭の中では威勢のいい言葉が出るが、口はまったく動いてくれない。
それというのも、唇を意識してしまっているからだ。
「……」
上条が首を傾げる気配がする。
周囲の気配に敏感になってしまう電撃使いの特性。しかも、学園都市最高の敏感さが、いまは物凄く恨めしい。
(な、何か言わないと。何か……)
えーとえーと、と話題を探して頭の中をひっくり返すが、普段は明晰な頭脳もこの時ばかりはうまく動いてくれない。
(話題話題話題……きょ、今日はいい天気ねー……って、そんなの絶対変に思われる! コイツのことだから思わないかもだけど、もおおおおお!)
支離滅裂もいいところの自問自答。いや、混乱と言ってもいい。
「なぁ美琴」
「ひゃい!?」
変な声が出た。
(て、わわわわたし、ひゃいって! ひゃいって何!?)
色々な恥ずかしさが極まり、さらに顔が熱くなる。
普段は平気で睨みつけることのできる彼を、まったく見ることができない。
「な、なんか調子悪そうだけど……ほんとに平気か?」
「わ、私のどこが変だって言うのよ!?」
上条の言葉に噛み付く形で、癖が出た。
反射的に上条に顔を向け――身長差から、彼の唇が目に跳びこんできた。
「――――っ!」
ひゅぼん! と音をさせて再び顔を俯ける。
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