41:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(岡山県)[sage saga]
2011/09/09(金) 03:20:02.00 ID:dylu9VbUo
「や、約束」
震える唇が言う。
「ん?」
「約束は、本当に、守ってくれますの?」
「ああ、いいぜ。でも白井こそ、本当にいいんだな?」
自分がなんでもするから美琴には手を出すな。
そう持ちかけたときと同じ、そして美琴と接しているときでは考えられそうもないような軽薄そうな顔をして、彼が笑う。
「……好きにすれば、いいですの」
こたえながら、白井は目を閉じた。
彼が、夜の街で幾人もの女性と不適切な関係にある。
風紀委員の仕事で、偶然耳にした情報。
その真偽を問いただした白井に、あっさりとそれを認めた彼。
美琴に近づくな、という要求は、拒否された。
力づくという選択肢は、美琴が哀しむというカードを切られ、封じられた。
風紀委員の権力は、まるで見えない誰かに阻まれたかのように、彼に対して一切、行使できなかった。
残されていたのは彼との個人的な取引だけだった。
「じゃあ、さっそく始めるか」
彼が近づいてくる気配。続いて、ベッドの端が、ギシと音をたてて、僅かに傾いた。
ギリ、と身体が強張るのを、白井はとめることができない。
そして、彼の右手に―――能力を封ずる右手に肩を捕まれ、
「あっ……」
引き寄せられた。
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