48:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(岡山県)[sage saga]
2011/09/17(土) 18:32:46.02 ID:FdOf8+rJo
特に理由はない。
一歩も引かないやつ、とも言われる。
勇敢だ、とも言われる。
向こう見ず、とも言われる。
そうするのは、結局、理由がないからだ。
ただ、そこにいて、そんな状況があって、そうなった、だけだ。
そのときの言葉も嘘じゃない。
逆に、その言葉が信念じゃない。
そう思って、言っている。それだけだ。
きっと、そのときと、その状況が違えば、逆にことを言っていただろう。
図書館を救ったのも、きっとそういうことだ。
誘引物質を助けたのも、そういうことだ。
御坂美琴を護ったのも、そういうことだ。
そのような状況だった、だけだ。
そしていま。
腕の中で、涙を流しながら唇を噛み締める少女がいる。
御坂美琴を、慕うもの。
夜の街で適当な相手を探すのも、生理的な欲求に過ぎなかった。
それが御坂美琴の何かに繋がるかなんて、考えはなかった。
彼女が持ちかけてきた取引に応じたのも、夜にわざわざ街を徘徊する必要がなくなるから、というのが主な理由だ。
だが――。
「っ! ぅうっ! んんっ!」
口から漏れる声を必死に抑える少女を見ていると、興味が湧いてくる。
彼女のは、どう乱れるだろう。
彼女は、どう変わるであろう。
舌を絡める前に、口の中で溶かしておいた媚薬。
嫌悪を伴う相手と同衾するのだ。何をしても『濡れる』わけがない。
そのままでは、とても無理だろう。かといって、潤滑油に頼るのもつまらない。
薬は、用意に生理的反応を助長する。
本来ならば、もう十分だ。
だが、だめだ。興味がわいた。
彼女はどう変わるのか。御坂美琴と、どう接するのか。
少女の背中に舌を這わせ、彼は思う。
そこにいて、そんな状況があって、そうなった。
この娘は、どんなことになるだろう。
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