過去ログ - 一方通行「オマエだって、もォこの家の一員だろォが」
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14:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(山形県)[saga]
2011/08/18(木) 03:48:30.66 ID:aLV867QF0

「俺は、………研究所に、いたン、だ」

「研究所……?」

「どこかの、培養槽の中…ずっと、ほンとにずっと………長い間、そこにいた」

それは、自らの記憶を確認するようにゆっくりと語る。

「その研究所がどこだったのかまでは、わかンねェ……でも、ずっとそこに閉じ込められてたのに、気付いたら」

「うん、ってミサカはミサカは静かに聞き入ってみたり」

「培養槽の外、……勝手に開いたのかな、わかンねェ…けど、床に倒れてたンだ」

「待て。そこには…研究所には誰か居なかったのか」

そう問うと、クローンは逡巡するように自分を見つめ、目を伏せた。

「曖昧だけど、誰も居なかったと思う…………人の気配が、なかったから」

自分よりほんの少しだけ長くなっている気のする前髪で、伏せられた赤い目が隠れる。

「誰もいなくて、どうしたらいいかわからなくて……頭の中に入ってた情報しか、」

「それで、誰もいない研究所を抜け出してここまで来たの?ってミサカはミサカは確認してみる」

「う、ン…」

自分と瓜二つの顔が明らかな不安に表情を固くしている様を眺めるのは、とても妙な心地だった。
大方、研究所から身一つで抜け出したが、体力が続かずにここで倒れてしまっていた、というところなのだろう。



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