過去ログ - 一方通行「オマエだって、もォこの家の一員だろォが」
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VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(山形県)
[saga]
2011/08/19(金) 22:32:08.10 ID:FLFgLFEZ0
壁に手をつきながら立ち上がった。
ベッドの側に置いておいた自作の杖を装着して、グリップを握る。
ガシャン、と杖部分が伸び、見下ろす目線になってようやくベッドの上の様子を把握する。
番外個体の寝相はこの位置から見てもひどかった。
ベッドに寝転ぶもう一人の少女を眺める。
百合子は小さな寝息を立てながら、手足を畳んで体を丸めて眠っていた。
好き勝手に寝こける妹達の特殊個体ふたりのお陰で、ベッドの隅に追いやられているように見える。
(まだスペース残ってンのに、何でこンな縮こまって寝てンだ…)
四人で寝るには流石に狭すぎたが、今の状態なら問題はなさそうだった。三人のうち一人は体も小さい。
(…番外個体は腹出してやがるし、アイツはなンか見てて寒そォだし)
番外個体はともかく、百合子が能力を使用しているとしたら寒さなどは関係ないだろうが。
ベッドの下に蹴落とされたタオルケットを拾い上げ、適当に掛けてやる。
すると、タイミングを見計らったように、
「…ン、――」
視界の端の真っ白い塊が動く。
細い足が伸ばされてシーツの上を滑り、肌と白い布の擦れ合う音がした。
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