119: ◆goBPihY4/o[saga]
2011/08/23(火) 19:55:18.63 ID:W+KohuJio
激痛が体中を蝕んでいる。
そんな中で、一人の男の顔を思い出す。
すぐ殴るし貶すし、健康のためではなく嫌がらせのために野菜を食わせようとする憎たらしくて仕方のないクソ野郎。
(……帰ったらやっぱ殴られンのかな。あいつ特に意味なく俺の事殴ンだよな)
もちろん殴られたいわけではない。
そして、命からがら帰ったからといって、あの男が「おかえりなさい、あーくん」とか言って抱き締めてくれるわけでもない。
(つゥかやられたら俺が殴るわ)
それでも。
帰って、研究室を訪ねて、「よォ」くらいの挨拶をしたら。
「おー」くらいは返してくれるだろう。
(……充分だ)
自分をここまで追い込んだ張本人の元へ、彼は帰る決意をした。
帰る場所はそこしかないのだし、別にそれでもいいと思っている。
五年前まではそんな最低な居場所すら持っていなかったから。
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