159: ◆goBPihY4/o[saga]
2011/08/25(木) 19:22:31.40 ID:WIl9w9gvo
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「つーワケで、キャワイー女の子を助けてあげるヒーローを演じる事になったんだが」
「さすが木原くンキャッコイー(棒)」
「指令が出た後天井亜雄はすぐとっ捕まえた。ま、『猟犬部隊』にかかりゃ簡単なもんだな」
鼻がいいから"猟犬"部隊。木原が率いる暗部組織は、人捜しを得手としている。
逃げ回る学者一人捕まえるのは文字通り朝飯前だった。
一晩で天井を発見、
身柄を拘束し、
締め上げて少女の情報を絞り取り、
その一時間後に朝になったのでメロンパンとコーヒーの簡素な朝食を摂ったのである。
「奴がガキに何をしようとしていたのかは、受け取った資料とちょっとした"Q&A"のおかげで大体分かった」
「……天井って奴は無事なワケ?」
「生きてるよー? 前歯四本ねぇけど」
例えば、真正面から思い切り殴られたらそういう状態になるかもしれない。
一方通行のため息と何とも言えない表情を無視して、木原は説明を続ける。
天井の目的は、『妹達(シスターズ)』の暴走だった。
『妹達』というのは、学園都市第二位の超能力者・御坂美琴のクローンたちの事だ。
もともと大した人数はいなかったのだが、
第一位の垣根帝督をレベルアップさせる『絶対能力進化計画』で、殺されるために大量に追加生産された。
最終的には十万人殺害する予定だったものの、一度の製造では三万人生み出すのが限度だったらしい。
そこで、まず三万人のクローンを用意し、垣根が殺し尽す前に次の三万人を製造するという計画が立てられていた。
つい先日木原が一方通行を使ってその実験を凍結させたため、一万人ほど殺されずに生き残っている。
彼女たちクローンは、劣化が激しいとはいえ『超電磁砲』・御坂美琴の能力を受け継いでいる。
そしてそれを用いて脳波を電気的にリンクさせる事で、『ミサカネットワーク』という独自のネットワークを形成している。
寄り集まった個々のクローンの意識は『一つの大きな意思』を作り出す。
もし彼女達が何かの拍子に揃って反乱を起こしたら、実験に関わる十数人程度の研究者達はひとたまりもない。
そこで、第一位に殺害される目的とは別に、『ミサカネットワーク』に干渉し全個体を制御する役割を持つクローンが製造された。
検体番号三〇〇〇一、全個体の最終決定権を持つ者――『最終信号(ラストオーダー)』。
それが少女に与えられた識別名称だった。
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