過去ログ - ∞木原式∞ 第一位のつくりかた
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162: ◆goBPihY4/o[saga]
2011/08/25(木) 19:24:34.01 ID:WIl9w9gvo

最終信号の脳には既に天井によってウイルスが刻み込まれている。
ただし、実際に暴走の命令が出されるのは九月一日午前〇時ジャスト。

それまでに少女の脳を元に戻して悲劇を回避するのが今回の彼の仕事だ。

チップをポケットに戻した木原は、そのままポケットに手を突っこんだ状態で手近な椅子に座った。

「捕えた天井に寝ないでワクチンスクリプトを作らせた。あとは最終信号をもう一度学習装置に掛ければいい」

「へェ、天井頑張ったじゃン」

「あいつはスキルだけ見りゃ優秀な学者だよ。奥歯六本ねぇけど」

「……天井の歯ってさァ、何本残ってンの?」

質問には答えず、木原はがりがりと後頭部を掻いた。

「問題は、その最終信号が捕まらねぇってトコなんだよなぁ」

「捕まらねェ? 犯人捕まえるより被害者保護する方が厄介なのかよ?」

「そう。捕獲じゃなくて保護なのが問題なんだ」

『猟犬部隊』は暗殺部隊である。
それも、生きる価値もないようなクズの寄せ集めだ。
繊細な女の子をソフトに扱うようには出来ていない。

一度、木原の部下が最終信号を発見し、車に乗せるまでは成功した。
だが少し目を離した隙に逃げ出してしまった。

手荒な事が出来ない事情があるため、気絶させたり脅したりといった手段が取れなかったのだ。

特に怖がらせるような言動はしなかったはずだが、それがなくても彼女は今大人を警戒しているらしい。



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