199: ◆goBPihY4/o[saga]
2011/08/26(金) 20:21:29.09 ID:KP4Oa+x5o
ただひたすら、がむしゃらに殺し続けた。
何かを感じたり立ち止まって考えたりする余裕は無かった。
しかし、突然実験が凍結になってから、垣根には分からなくなってしまった。
あの実験は、一体何だったのか。
終わってよかったのだろうか。
まだ続けたいのだろうか。
自分はどう思っていたのか。
どう思うのか。
どう思えばいいのか。
これからどう動けばいいのか。
自分は何をしていたのか。
そこへ、アメ役の木原が都合のいい答えを指し示す。
「……本当は、何か違うと思ってたんだよな?」
残虐非道な実験を続けていたのは、本心からでは無かった。
本当は、あんな事はしたくなかった。
止まれなくなっていただけ。
「分かっててやってたンなら救いよォのねェクソッタレじゃねェか」
「違う。やっと滑り止まった今が最後のチャンスなんだ」
「もォ遅ェよ」
「遅くはねぇはずだ。今日、この瞬間にやり遂げられれば、まだ……!」
まだ救いはある。
光り輝いて見えるその「最終信号を助ける」という答え。
ムチ役の一方通行が正反対の言葉を喚く度、垣根の耳は木原の方へ傾いて行く。
どうせならこっちの言う事を聞きたいと。
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