過去ログ - ∞木原式∞ 第一位のつくりかた
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34: ◆goBPihY4/o[saga ]
2011/08/19(金) 19:16:20.80 ID:Ori7L7Wn0


一人になった木原は考える。

先程言ったとおりただの勘だが、次回一方通行はレベルを上げてくると踏んでいる。
前々からそういったフシは見受けられたが、どうやら彼はわざと自分の評価を下げているらしいのだ。
つまり、その演技をやめればレベルは上がるという事。

(わざわざバカの振りをするとは、嫌味だねえ……)

何故彼がそんな事をするのかは、大体想像が付いている。
悪目立ちすると碌なことがないという事を十歳の時すでに学んでいるからだろう。

それでも、それを押してもレベルアップしなければならない事情が、今度の彼にはあるはずだ。
木原はそう確信している。



最初に測定した時、一方通行はレベル2だった。
そして、木原が「こんな役立たずはさっさと余所へ処分するか」とぽろっと口にした直後の測定で、彼はレベル3に上がった。



生意気に反抗して見せているが、結局のところ、少年は木原に見捨てられることを何より恐れている。
どん底に落ちるぎりぎりの所で彼を引き上げたのは、手を差しのべたのは、木原数多ただ一人だったのだから。

その手を離されたら落ちるしかない。もう戻って来られない。
他の誰に拾われようと、木原に捨てられたら生きては行けない。

三年掛けて木原が刷り込み、一方通行自身が信じ込んだ、強迫観念だった。


「さぁて。あいつは椅子に座れるのかね?」


木原は虚空へ呟いた。



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