36: ◆goBPihY4/o[saga ]
2011/08/19(金) 19:17:42.37 ID:Ori7L7Wn0
対して、研究者達はそれを聞いて一様に色めき立った。
学生達には絶対に認知されない『素養格付』という極秘データの存在があるからだ。
存在自体が極秘なので誰も知らない事になっているが、能力開発分野の研究者達の間では常識になっている。
ごく限られた者達だけが手にする事が出来るそれには、
開発を行う前からその学生が将来的にどのレベルまで到達できるか、事前に判定された情報が記されている。
そのデータの一部が何かの手違いで漏れて、断片的に「レベル5がもう一人いる」という噂が流れ出してしまったのだ。
「もしかしたらウチで飼っているあいつがそうかも……」
当時の研究者達は皆それを期待した。
だが、当時彼らが抱え込んでいた能力者達は誰もレベル4より上には上がらなかった。
となると、研究機関には属さないノーマークの学生がそれだという事になる。
大人達の間で壮絶な椅子取りゲームが始まった。
最後のレベル5の椅子を巡って。
実験や測定で少しでもイレギュラーな反応を見せた能力者は、様々な研究機関から引っ張りだこになったのである。
しかし最後のレベル5はいつまで経っても姿を現さなかった。
学園都市のどこかにいるはずなのに、その正体は誰にも見えない。
いつしか研究者達の間でも、その噂は廃れていった。
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