5: ◆goBPihY4/o[saga sage]
2011/08/18(木) 22:00:15.02 ID:2kYsZ6Sv0
「返す? 何を」
「あの子供だ。お前が直接開発した反射能力の」
上司の言葉に、木原は眉をひそめる。
「返すってのは、ウチがまた引き取るってことですか」
確かに、覚えがあった。かなり前の事だ。
小学校に上がったばかりといったような、まだあどけない少年の脳をいじくった。
結果かなりの高位能力者になったはずだが、すぐ他の機関に目を付けられて持って行かれた。
その後はたまに噂を聞く程度。
特力研、虚数研、etc……
よくもまあと感心するほど、悪質な施設ばかりたらい回しにされたらしい。
「で、そいつがどうして戻って来るんすか」
面倒臭い、どうでもいいと顔に書いてある。
上司と正面から顔を合わせていても、礼をわきまえるだとか媚びるだとかいう事に関心がないのがこの男の特徴であった。
そんな態度に、上司は多少渋い顔をする。
しかし文句は言わない。
この若き研究者・木原数多は、木原一族の一員であり、それなりの権力があり、何より多くの功績を持つ天才なのだ。
顔面の半分を黒く染める入れ墨といい凶悪な目つきといい、とてもまともな科学者には見えないが。
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