51: ◆goBPihY4/o[saga ]
2011/08/21(日) 20:32:02.70 ID:8hVhXUvc0
とある年の八月の、とある日の蒸し暑い夕方。
木原数多は、申し訳程度に冷房の効いた廊下を、白衣のポケットに手を突っ込んでずかずか歩いていた。
彼の所属する研究所は、学園都市の研究機関のご他聞に漏れず巨大である。
広大な敷地にいくつもの研究棟が建っていて、初心者が案内なしで潜り込んでも絶対に目的地へはたどり着けない。
さすがに何年も通っているので木原が迷子になる事はなかった。
目的の廊下を淀みない足取りで突き進み、三一一号室の扉へ到着する。
ここは泊り込みで作業をする研究員達のための仮眠棟である。
その内の一室に、とある少年が住み着いている。
高校に上がって学生寮の一室が宛がわれたのだが、面倒臭がっていつまで経っても引っ越さないのだった。
ノックもせずに入り込むと、そこには上機嫌で食事をする一方通行の姿があった。
「木原くン木原くゥン、この明太子スパゲティ、海苔が偏ってオマエの顔の刺青みたいになってるンですけどォ」
「お前はバカだね〜〜〜〜〜、一方通行クン。食い物で遊んでる暇があったら勉強するか死ね」
「すっげェ、このパスタ木原そっくり」
「死ね」
ぎりぎりレベル4寄りのレベル3になってから二年。
一方通行は十五歳になっていた。
相変わらず色は白い。
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