673: ◆goBPihY4/o[saga]
2011/09/26(月) 01:12:59.88 ID:8uAP4Ydjo
この意味不明の喋るティーカップが何をしようとしているかは知らないが、
学習装置など触った事もないような子供に、最終信号をどうにかできるとは思えなかった。
だが、やらせてみても別に損はない。
もし彼女が失敗したら、それはそのままでいい。まずいところを目撃してしまった彼女を殺して任務完了だ。
そして、もし、彼女が『解いて』しまったら?
――面白い事になるが、任務の方も問題ない。
彼女を殺して、最終信号をもう一度学習装置に掛ければいいのだ。
どちらにしても少女二人の命運は尽きている。
大分可哀想な話である。
クローンのそばへ辿り着いたシスターは、彼女を優しく床へ横たえて、観察するようにじっと黙って見詰めた。
「やっぱり。この子がすべての核……!」
こぼれるように少女の口から出た言葉に、木原は反応した。
「核?」
ほとんど自分への確認のような調子で、シスターは答えた。
「うん。基本は天使の構築。形のないチカラを人のイメージに押し込めて、シルエットを作り出す」
形のないチカラというのは、AIM拡散力場を指すのだろうか。
学園都市の能力者たちが無意識に発散にしている力の領域の事だ。
ミサカネットワークで網を掛けて、最終信号が束ねる。
少女の言う推察は、そう解釈する事ができた。
驚いた。この見解は木原と一致している。
科学のかの字も分かっていなさそうな子供と、彼の意見が合ったのだ。
しかし、彼女のアプローチは、木原の辿ったルートとはまるで方向が違うらしい。
この少女には、木原には見えない何かが見えているのだ。
1002Res/479.13 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。