792: ◆goBPihY4/o[saga]
2011/10/05(水) 02:05:22.53 ID:RhjH7vgho
無駄に風通しの良くなった室内を、新たな役者がゆっくりと歩いた。
ぼろぼろになりながらもこちらを睨みつける第一位の正面に、一方通行は立ちはだかる。
ちょうど、ボロ雑巾のように床に平伏す木原を守るような形で。
静かに睨み合って、数秒。
先に口を開いたのは垣根だった。
「お前、空飛べたのか。ここは確か七階くらいだったと思ったがな」
どんな力を反射したところで、特殊な装置でも無い限り下から上に飛ぶ事など出来ない。
もはやこの場にいる全員が知っていた。
だが彼は飛んで来た。
そして、爆発にさえ耐えるガラスを体で叩き割ってけろりとしている。
これでボクはレベル2ですなどと言っても誰も信じてはくれないだろう。
だが仕方ない。言い訳はあとで考えよう。
一方通行は、この期に及んでまだ言い訳さえすれば自分のレベルをごまかせるつもりでいた。
「うるせェな。妖精さンにフケ掛けてもらったンだよ」
「ピーターパンの妖精の粉の事か? フケじゃねぇだろあれは」
「じゃなンだありゃ」
「何ってそりゃ……粉」
不毛な口論になりそうなので、垣根の方からこの話題は打ち切った。
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