797: ◆goBPihY4/o[saga]
2011/10/05(水) 02:10:20.97 ID:RhjH7vgho
突然、ドサッと何かが倒れる音が前方から聞こえた。
見ると、垣根が片膝をついて息を荒げている。
「なンか勝手に死にそォだな。大丈夫かァ?」
「うるせぇよ……」
未だ鈍らない眼光が一方通行を射抜いた。
「なんで……」
大きすぎる呼吸音とともに、小さな声が訴えかけて来る。
「何で邪魔をするんだよっ……!」
「えェー……っつってもなァ……」
邪魔をしないと木原は殺されてしまうのだから、一方通行の立場からすれば当然だ。
しかし垣根にしてみれば知った事ではない。
「俺は、俺はただ……」
最終信号に、日常に帰ってほしいだけ。
違う。そうではなくて。
彼女と、朗らかな、ほのぼのとした生活を、もう少し一緒に過ごしてみたかった。
身に余る望みだと分かっていながら。
なのに全部ぶち壊しだ。
「何で……邪魔を……」
ただ騙されていた。
悪気のない洗脳に踊らされていただけだった。
そんな事は知りたくなかった。
知らなくてよかったのに。
邪魔をされた。
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