8: ◆goBPihY4/o[saga sage]
2011/08/18(木) 22:01:54.07 ID:2kYsZ6Sv0
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真っ白な少年が黙って目の前に立っている。
異様な光景だ。
まず、子供のくせに白すぎる。
そして、子供のくせに黙りすぎる。
無表情なのにどこか不満げで、挑戦的で、寂しげだった。
十歳の子供にこんな表情を作らせるとは学園都市も相当病んでいるものだと、
思いやりの乏しい木原にまでそんな感慨を覚えさせるような子供だ。
前に見た時はもっと黒かったし、多少は可愛げがあった気がする。
あれは何年前だったか。
「俺を覚えてるか?」
木原が声を掛けると、地面を見つめていた少年は顔を上げ、じろりと彼の顔を眺めた。
「……キハラ」
髪と肌は真っ白なのに、瞳の色だけは真っ赤。
気味の悪いガキだ、と木原は思った。実際口に出して言ったが、少年は気に留めた様子も無かった。
昔は髪も瞳も真っ黒で、少しは日に焼けた子供だった。
なぜ今はこんなに白いのかと言うと、他でもない木原が与えた能力のせいで、無意識の内に紫外線を反射してしまうかららしい。
物だろうが音だろうが匂いだろうが核弾頭だろうが、向きのあるものなら全て跳ね返す能力。
軍隊を相手にしても平気な顔をしているだろうと言われるレベル5達と、本当に肩を並べてもおかしくない。
まさに化け物。
目の前の、無垢さを象徴するかのような色をした少年は、そういった存在なのだ。
手中にできれば、面白い。
だが手懐けられるか?
できる。
と、木原は判断した。
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