884: ◆goBPihY4/o[saga sage]
2011/10/15(土) 19:59:47.53 ID:icgzUffao
「学園都市が『魔術』の存在を世界に発表しました」
「は!? マジかよ?」
侵入者の所属はローマ正教であった。派閥の分かれるキリスト教の中でも最大勢力だ。
九月三十日の騒動の直後、学園都市はローマ正教の『魔術集団』から攻撃を受けたという報告を正式に出したらしい。
科学の都市がオカルトの存在を肯定するなどあり得ないと考えていた木原は、
このニュースに身を乗り出した。
「ちょっと見直したぜー、上層部」
だが、彼の反応を見たヴェーラは困惑気味に言った。
「ええと……『魔術』っていうのは、ローマ正教が抱える科学的超能力開発機関のコードネームなんです」
「は?」
「まさか本当に魔法とか妖術とかが存在するはずないですし。
ヨーロッパでも超能力開発の研究ってしてたんですね。侵入者もそれだったようです」
「科学的……開発?」
「世界中で大ニュースになってますよ。
でも向こうは否定していて、むしろ先日出した天使が冒涜的だと言って非難してきてます」
話を聞いていると、ヴェーラも『魔術』なるものがオカルトとは無関係だと信じているようだ。
馬鹿馬鹿しい、と木原は思った。
侵入者のやってのけたあの現象が、学園都市とは別の能力開発の結果だというのなら、
学園都市より向こうの方が遥かに上だという事になる。
そんな技術がいきなりポンと現れるはずがないし、
もしあったなら今までその存在を匂わせる噂すらなかったのが不自然すぎる。
大体、ヴェーラにしても歌で学習装置をどうにかした少女をその目で見ているのだ。
それで「あれは実は科学の力でした」という発表を鵜呑みにするのだから呆れたものである。
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