887: ◆goBPihY4/o[saga sage]
2011/10/15(土) 20:05:05.92 ID:icgzUffao
「続いて、そのスキルアウトの生き残りですが、
一部統括理事会に雇われて女性を一人殺そうとして失敗しました」
「ふーん。次」
「後は……そうですね、『人材派遣(マネジメント)』が最近大口の取引をしたらしいという噂です。
近々大きな動きがあるかも知れません」
「勝手にさせとけ。他は」
「ありません。以上です」
「へいへい」
木原はまるで興味のなさそうな顔で頭を掻き、ヴェーラはぺこりと頭を下げた。
「では、私はこれで」
「おー。調査の件、忘れんな」
「はい」
ヴェーラはただ去っていった。
基本的に、ヴェーラは従順だ。
クズの集まりの一部のくせに、頭一つ抜き出たまともさを持っている。
今なら、彼女の力でも動けない木原を殺すことが出来ただろう。
その気になればの話だが。
だが、彼女はそういった反乱を起こさない人間だ。
信頼というより、仕事上の付き合いの中で分析した結果、病室に呼ぶなら彼女が良いだろうと判断したのだ。
学園都市の暗部には色々ある。猟犬部隊の内も外も色々大変なのである。
寝ている間に何やかやと情勢が変わっていた。
目が覚めてしまったからには、これから忙しくなるだろう。
先の事を考えるとうんざりして来た。
だがやりたい事もある。
この先楽しみにする事もある。
窓の外を眺めて、気づくと木原は笑っていた。
あまり爽やかではない方の笑い方で。
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