946: ◆goBPihY4/o[saga]
2011/10/20(木) 02:15:47.94 ID:MRvS0dfYo
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報告を受けて、病室が静まり返る。
待機中の部下の一人が木原に尋ねた。
「海原、死んでしまったんでしょうか?」
だとすると、守るべき対象がいきなり一人脱落である。
これはまずい。
が、木原はまだ冷静だった。
「死体は見つかってねーんだろ? まだ△だな」
よって、海原の写真の横には×印ではなく△印が記された。
端正な顔の横に三角形が出現した直後、またも通信が来た。
応答すると、『ブロック』の動向を探っている隊員だった。
『マンションを爆破したのは『ブロック』です。リーダーの佐久が指示を出していました』
「だと思った」
最近『人材派遣』と取引したのは『ブロック』なのだ。
マンションに残った情報はすべて隠蔽したいのだろう。
それで手っ取り早く爆発させたのだ。
「マンションから、逃げ遅れた海原の死体なんか発見されてないだろうな?」
『海原どころか焦げたネズミ一匹見つかってないらしいです』
「じゃ、逃げたな。取り合えず生きててくれて助かったぜ」
木原は一応安堵したが、姿が見えないのが気にかかるし、第一守れない。
全力で海原の行方を捜すよう別の部下に指示し、一息ついたその時だった。
続けざまに、『アイテム』を監視していた隊員から通信が入った。
書類に目を通す暇もない。
木原が舌打ちをしながら応答すると、焦燥に駆られた隊員の声が飛び出して来る。
『木原さん、大変です!』
「何が」
『アイテムが、アイテムの女性陣が……』
隊員は、『アイテム』が現在待機しているファミリーレストランの様子の報告を始めた。
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