80:第A話―――佐天「さ! 走ろうよ!」 香焼「・・・・・・そうだね」
2011/08/25(木) 21:47:35.28 ID:Jhet7Q0e0
それから暫く雨宿りが続いた。今日が休日で本当に助かった。平日だったら完璧遅刻してる。
適当に雑談を続ける内、ふとランニングの話になった。
香焼「始めたきっかけ?」
佐天「うん。ちょっと気になって」
香焼「うーん、色々あるんすけど・・・・・・トレーニングかな」
佐天「トレーニング? 香焼くん、何かスポーツしてるの?」
香焼「・・・・・・武術みたいなものかな」ハハハ・・・
大丈夫。嘘は言ってない。
香焼「佐天さんは?」
佐天「私? えっとトレーニングだけど・・・・・・、」ムゥ・・・
香焼「部活か何か?」
佐天「・・・・・・ううん。何もしてない」フルフル・・・
彼女は一度、顔を膝に埋めて・・・・・・溜息混じりに呟いた。
佐天「無駄な努力かなぁ」ボソッ・・・
香焼「え?」
佐天「・・・・・・、」クスッ・・・
笑顔を作るが、とても悲しそうな。
佐天「何していいのか分からなかった。だからとりあえず走ってみることにしたの」
香焼「身体が勝手に動いたって事?」
佐天「そうかもしれないし、そうじゃないかもしれない」
香焼「えっと・・・・・・、」
佐天「・・・・・・『無能』って言われたくないの」
・・・・・・。
佐天「『無能力者(レベル0)』じゃないよ。『無能』ね」
香焼「誰かにそう言われたんすか?」
佐天「ううん。違う違う。そんな酷い事いう馬鹿な人は知り合いにいないから」ハハハ・・・
良かった。もし居たら殴りに行ってた。
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