82:第A話―――佐天「さ! 走ろうよ!」 香焼「・・・・・・そうだね」
2011/08/25(木) 22:24:59.09 ID:Jhet7Q0e0
 自分は、彼女が決して無能だとは思わない。 
 少なくとも『必要とされている』以上、それは無能ではない 
  
  
 佐天「皆、良い子好い子って言ってくれる。それはとても嬉しい事だよ」 
  
 香焼「・・・・・・うん」 
  
 佐天「でも・・・・・・それでも『もっと何か』を見つけようとするのは高望み? いけない事?」 
  
  
 向上心と捉えればポジティブだろう。だが、そんな褒め言葉が欲しいのではない。 
  
  
 香焼「自分も・・・・・・自分が如何したいか分からないっすよ」 
  
 佐天「あはは。同じだね」クスッ 
  
 香焼「でも・・・・・・無駄じゃないっす」チラッ・・・ 
  
  
 努力。 
  
  
 香焼「有り体の言葉かもしれないけど、此処で止めたら自分を裏切る事になると思う」 
  
 佐天「うん・・・・・・同感」 
  
 香焼「何が出来るか、何になるかってのは・・・・・・焦って探しちゃダメなんだよ」 
  
 佐天「・・・・・・、」 
  
  
 例えば、無能力者は風紀委員にはなれない。だが警備員ならなれる。 
 それになるには大学を出て、教師になるしかない。 
  
  
 香焼「佐天さんの言葉を借りるけど、難しい事考えるのダメなんでしょ」 
  
 佐天「・・・・・・うん」 
  
 香焼「報われるよ。報われないわけが無い」 
  
  
 女教皇様の言葉だ。 
  
  
 香焼「頑張って頑張って、それでもダメな時は・・・・・・救いがくるっすよ」クスッ 
  
 佐天「救い?」 
  
 香焼「うん。世界はそんなに残酷じゃないよ」 
  
  
 幸い、彼女は素敵な仲間に恵まれている。手は自ずと伸ばされるだろう。 
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