84:第A話―――佐天「さ! 走ろうよ!」 香焼「・・・・・・そうだね」
2011/08/26(金) 00:29:27.22 ID:6r73XymT0
・・・・・寸・・・・・
それから暫く頬を摘まれ続けた。それはもう取れるんじゃないかってくらいに。
ふと時計を見ると8時になろうとしている。だけど雨が止む気配は無い。
香焼「困ったね。どうしよっか」ハハハ・・・
佐天「そうだなぁ」ジー・・・
小首を捻って何やら考える彼女。
佐天「えっと・・・・・・お腹空いた!」ポンッ
香焼「は? え、うん、まぁそうだね」ポカーン・・・
佐天「ご飯! 食べ行かない?」ニカッ!
・・・・・・考えるのを止めたらしい。
佐天「こら、馬鹿にするな。考えは有るから」ビシッ
香焼「え?」
佐天「近くのコンビニまで走ろう! そんでもって傘買ってファミレスでも何処でも良いから食べに行く!」
香焼「この雨の中?」
佐天「うん。雨止む気配無いでしょ。まぁ、この後帰らなきゃいけない用事あるなら仕方ないけど・・・・・・ダメ?」
香焼「無いけど・・・・・・やれやれっすね」クスクスッ
佐天「・・・・・・行きたくない?」ジー・・・
雨に濡れたもあいの様な目をしないで下さい。反則です。
佐天「よしっ。じゃあ決まりね!」ニカッ!
雨の中、傘をささずに濡れる人間がいても良い。それが自由だ。byゲーテ先生。
佐天「また難しい事言ってー。決めたからには即行動あるのみ。急ごっ!」グイッ!
香焼「はいはい。御転婆御嬢さん」フフッ
佐天「お姉さんと呼びなさい! そんじゃほれ! レッツゴー!!」ワーイ!
雨を纏いながら走る彼女を追い駆ける。馬鹿みたいに二人で濡れながらコンビニを目指す。
やはり彼女は元気な方が良い。能力とか立場とか関係なく、誰からも慕われる佐天さんであるべきだ。
ジャージ姿・ほぼ同じ背丈の男女一組が、まだ人気の少ない大通りを走っていく。
香焼(青春ってヤツかな)ハハハ・・・
彼女の後ろ髪に牽かれながら走る。
佐天「もう少しだー! ラストスパートー!」ヒャー!
この街での楽しみの一つ。大切な日常の一つだった・・・・・―――
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