過去ログ - 【空中要塞】エースコンバットのSSを書くスレ【トンネル】
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320:スワロー1[sage]
2011/09/28(水) 23:21:21.10 ID:3ZB4m3Nc0
2028年 3月10日 ソトア共和国 鳥寝島空軍基地上空 0705時

ようやく見えた。

あれはオーシアから最も西に位置する島の一つ、ベルーサ大陸とユージア大陸のほぼ中間の孤島、鳥寝島だ。

この島は空軍の基地しか滑走路が無い為に滑走路を民間航空会社が借りる形で1日1往復だけ本土との連絡便が飛ぶ。

機長のお爺さんがこれまたお爺さんの機体を操りながら「もう直ぐ到着ですよ、お客様」と言っている。

所々錆付きギシギシと悲鳴のような音を立てる機体、今時こんなオンボロ飛行機で飛ぶ航空会社なんて此処だけじゃないだろうか?

隣では女性と思わしき人物が毛布を被って寝ている。

小型機のため機内は大して広くないがそれでも乗客が二人だけというのは寂しいのもだ。

彼女の居る座席のテーブルには絵本が置かれている。

『姫君の青い鳩』。

世界的に有名なおとぎ話だ。

18年前の戦争終結の立役者である彼等のモデルとなった話、『ラーズグリーズの悪魔』もこの絵本の中に登場する。

私はテーブルから落ちそうになっているその本に手を伸ばそうとした。

お爺さん機長「何じゃと!冗談じゃない!」

突然機長のお爺さんが叫んだ。

驚いた私は機首の方を向き聞き耳を立てる。

残念ながらまだ駆け出しの私にはジャーナリストとしての血が騒ぐのか、それともただの野次馬根性なのかは解からない。

管制官との交信を終えたお爺さんは私達に向かって丁寧に説明する。
 
お爺さん機長「お客様、申し訳ありません。現在、鳥寝島基地より諸事情により着陸が困難との連絡がありました」

お爺さん機長「一時間ほどこのまま上空で待機いたします。ご迷惑をお掛けして申し訳ありません」

丁寧ではあるがどうも腑に落ちない。

天候は快晴、目覚めた時に見た気象予報によれば強風の可能性も非常に低かった筈だ。

島の様子を確かめようと別の座席に移動する為、席を立とうとした時だった。

ふと女性の寝ている座席の窓が視界に入った。

直後、何かが高速で私達の乗るオンボロ機を追い抜いて行くのが見えた。

私は急いで別の窓に張り付くと窓の外を覗き込む。

いた、4機の戦闘機が高速で西の方へ向かって飛んでいる。

主翼に白い円とそれを囲うように赤い円が描かれている。

この光景をカメラに収めようとバッグに手を伸ばした。


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