過去ログ - 純憂「「さるかにがっせん!!!!!」」
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270: ◆GLPLA.M.6I[saga]
2012/06/25(月) 06:26:29.56 ID:kF+Oc8+0o


無邪気に遊ぶ子ガニを横目に見つつ、次は臼が話し始めました


「臼さんはどう過ごしていたんですウニ?」

「あ、実は私一人だけではないんドスン。栗さんと一緒に過ごしていたんドスン」

「栗さんと?それはどうしてウニ?」

「山の方で木の実集めをしていたドン」

「まぁ、この時期の日常って言えば解りやすいクリ?」

「日常……?どうしてチク?」

「村の皆さんがつくお餅に混ぜる為クリ」

「そしてそのお餅をお社にお供えして、秋祭りをするんドスン」

「はぁー、そんな風習があるなんて初耳ウニィ。見られるのならば是非とも見てみたいウニ」

「なんなら今度……ってウニさんが行くには遠すぎるクリィ」

「大丈夫、私が運ぶドン。ついでに海水も桶に汲んで持っていけば問題無いドスン」

「ホント!?あ、ありがとうウニィィィ!!」


喜びのあまり小躍りを始めたウニを見た臼は、思わずそれに併せて身体を揺すりました

その時です。カツンと何か硬い物を落としたような音が響きました


「……なんの音ウニ?」

「……あぁっ!すっかり忘れていたクリィ!!」
「そそうだ!!今の音が鳴らなかったら忘れるところだったドスン。栗さん、お願いするドン」


そう言うと、臼はその場で背中をクリの方に向けました

そこには臼が生まれてからの年月を物語る幾筋もの亀裂があります

栗はその中の一番大きな亀裂に手を差し込むと、中から小さい透明な石を取り出しました


「それは……なにウニ?」

「宝石のかけら……だと思うクリ」

「一昨日、水浴びをしているときに入ったらしいドスン」

「水浴びチク?」

「そうドスン。秋祭り前にはあっちこっちからお呼びがかかるドン、だからその前に身体を綺麗にしておく必要があるドスン」

「餅つきには臼さんが必要不可欠クリ」

「成る程……ウニ」

「で、これをどうするかというと……子ガニちゃ〜ん、ちょっとこっち来てほしいドス〜ン」


臼はそう言いながら石を子ガニに見えるように持ち手を振りました

石は外から差し込む夕日に照らされ美しく煌めいています

それを見た子ガニの瞳も同じように輝き始めました


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