14:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank)[sage]
2011/08/28(日) 01:40:12.03 ID:7L728IKno
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助手席の窓ごしに見慣れた街並みを眺めながら、手持ち無沙汰な右手をそっと隣の手のひらに重ねてみる。
さわちゃんと休日に出掛けるのはこれが初めてなわけじゃない。
だけど、一応先生と生徒なわけだからなるべく人目の多い場所に行くのは控えるようにしている。
あと、もしも他の人に見つかったときのことを考えて言い訳とかはそれなりに考えている。
まあ、さわちゃんは軽音部の顧問だから言い訳なんて作ろうと思えばいくらでも簡単に作れてしまうんだけど。
問題なのは私の演技力だ。
「ちょっと、唯ちゃん?」
「だって、外では手繋げないもん」
さわちゃんの左手をぎゅっと握りしめる。
さわちゃんと手を繋げるのは、こうやって車が赤信号で止まっているときだけだ。
「腕組んじゃ駄目かな」
「同じくらい目立つんじゃない?」
「そっかぁ」
残念だけど、色んな弊害があることは承知の上でさわちゃんと一緒にいることを選んだんだから我慢は必要だ。
ぷぅと頬を膨らませて俯いた私の指にさわちゃんの指がしっかりと絡まる。
驚いて隣を見た。
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