過去ログ - 唯「さわちゃんと過ごした日々」
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16:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank)[sage]
2011/08/28(日) 01:45:10.08 ID:7L728IKno

その言葉で急に不安になって周りを見渡してみる。
ファミレスというだけあって、やっぱり家族連れが多い。
それに、夏休みだからか学生の姿もちらほら見受けられる。
いくら隣町だからって、ここに知り合いがいないという保証はない。

「だ、誰も居ないよね?」

「大丈夫よ。やましいことなんて何にもないじゃない」

さらりと言ってのけるさわちゃんに少し安心して、再びメニューに目を通した。

いつでも人目が気になる私とは対照的にさわちゃんはいつも堂々としている。
この違いはなんだろう。
もしかすると、私だけが『やましいことをしている』って思ってるのかもしれない。
堂々とできないのは後ろめたさがあるからだ。

ふと、隣の席を見る。
大人の男の人と女の人がにこにこと笑い合っている。
カップル、だと思う。

視線を元に戻す。
メニューに目を通しているさわちゃんを見ながら、一体私たちは周囲の人の目にどんな風に映っているんだろうと思った。

人前でキスでもしない限り、私たちの関係に気付く人はいない。
私たちにとってそれは都合がいいことだ。


だけど、

――じゃあ私たちの関係って一体何?


せっかくの休日なのに、気分が晴れることはなかった。
一年前はこんなこと思わなかったのにな。

二人で昼食をとった後、車に戻った。
アイスを食べる気分にはとてもじゃないけどなれなかった。



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