29:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank)[sage]
2011/08/28(日) 02:26:33.75 ID:7L728IKno
ポケットに手を突っ込んで、震える指で携帯電話のボタンを押す。
今の私がきっと今一番会ってはいけない相手。
だけど、会いたい。
会いたくて仕方がない。
助けてほしい。
『唯ちゃん?』
一番好きな声が聞けたことに私は少し安心した。
電話口から私の嗚咽が届いたのか、さわちゃんは『何かあったの?』と慌てたように言った。
「さわちゃん……っ、私……どうすればいいのかわかんないよぉ……」
りっちゃんと澪ちゃんに嘘を吐いてしまったこと。
憂に嘘を吐き続けていること。
何より、嘘が上手くなっていく自分自身が一番怖かった。
このままじゃ、何もかも失ってしまうような気がした。
大切な家族も、大切な友達も。
何より、自分自身も。
********************
結局こうなってしまう。
ベッドの上で横たわる自分とさわちゃん。
もちろんお互い服なんて着ていない。
話をするだけなら前みたいにどこかのファミレスででも待ち合わせたらよかったのかもしれない。
だけど、この部屋に来てしまった。
そこに理由なんてない。
それにまた、憂に嘘を吐いて家を飛び出してきた。
嫌悪感に襲われて、ぼんやりとする頭を抱えるように前髪を掻き上げる。
ふうっと大きく溜め息を吐くとさわちゃんが寝返りを打って私を見た。
「唯ちゃんはどうしたいの……?」
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