過去ログ - 唯「さわちゃんと過ごした日々」
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50:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank)[sage]
2011/08/28(日) 04:08:34.79 ID:7L728IKno

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お昼ごろまで時間を潰し、何もすることがなくなった私は漸く学校に行く決心がついた。
だけど、部活のことなんてすっかり忘れていたから自宅にギー太を置いてきてしまっていることに気付く。
学祭はもうすぐなのに。

重い足取りで校舎に入り、教室のドアを開ける。

「あ、唯!」

「唯ちゃん、大丈夫だったの?」

「メール返ってこないし、心配したんだぞ!」

「憂ちゃんからも連絡あったのよ。どこ行ってたの?!」

入るや否や、色んなところから声が聞こえてきて応対できなかった。
りっちゃんとムギちゃんが私を見つけて駆け寄ってくる。
違うクラスのはずなのに、何故か澪ちゃんと和ちゃんまでいた。

私がいなかったのはたった半日なのに。
それなのにどうしてみんな、そんな心配そうな顔をしているんだろう。

「最近、遅刻することもなかったからさ、大丈夫かなって話してたんだ」

「憂ちゃんには私から連絡しておくから」

みんなの顔を見て、思わず泣きそうになった。

みんなはいつも私のことを心配してくれていた。
なのに、私はずっとみんなのことを二の次にした。
メールだって電話だって、自分の都合ばかり優先して返事もしなかった。
これは今日に限ったことじゃない。

…………最低だ。今更気が付くなんて。

「……ゆ、唯?」

「……ごめんね、みんな……、ギー太忘れてきちゃった……」

情けなかった。
これまで一年とちょっと、私は色恋に浮かれて周りを見失っていた。
その上、その事実を誰にも話すことなく、ギー太の練習もないがしろにした。

なのに、みんなはいつも私を気遣ってくれていた。
嘘ばかり吐いていた私に、いつも笑顔で接してくれた。

「いいよ、今日は休みにしよう」

頭上で一つ、声がした。
澪ちゃんの言葉に「えっ、マジ?」というりっちゃんのいかにも嬉しそうな声が聞こえて、すぐさま澪ちゃんが「喜ぶな」と制している。
久し振りに見た、いつもの光景。

「唯、何があったのか知らないけど……私たちならいつでも頼っていいんだぞ」

顔を上げると澪ちゃんが優しく笑っていた。



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