59:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank)[sage]
2011/08/28(日) 04:50:07.20 ID:7L728IKno
4限目が終わり、私は職員室に向かった。
ドアを開けようとしたところでばったりとさわちゃんに出会う。
「び、びっくりしたぁ」
「私も」
お互いに胸を押さえているのが何だかおかしくて少し笑った。
「で、どうして私、呼び出されたの?」
ちょっとおどけたような口調で言うと、さわちゃんは一瞬だけ寂しそうな顔をした。
どうしたんだろうと思っているとすぐに元の表情に戻ったから、気のせいかなと思うことにした。
「今から時間ある?」
頷くと、さわちゃんは「ここではちょっとね」と困ったような顔をして歩き出した。
私はさわちゃんの後を追った。
********************
隣を見る。
私はこの角度から何度もさわちゃんを見てきた。
だけど、その記憶はすっかり遠いものになってしまっている。
その時、ハンドルを握るさわちゃんの指に光るものを見つけた。
「さわちゃん……」
「ん?」
「あ……えっと、何でもない」
言えないのは、今の私にそんなことを言う資格がないと思ったからだ。
今の私はさわちゃんの生徒だ。
プライベートまでとやかく詮索する立場じゃない。
だけど、胸がぎゅっと締め付けられた。
それに、どうして今日さわちゃんが私を誘ったのかさえまだわからずにいる。
「さわちゃん、今日……」
「どうして私を誘ったの」そう聞こうとしたとき、ちょうど車が停まった。
ここはさわちゃんのマンションの駐車場だ。
意味がわからなくてさわちゃんを見る。
だってもう、そういう関係じゃないのに。
「さわちゃん……?」
「一年前……、覚えてる?」
「一年前……?、あ……!」
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