66:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank)[sage]
2011/08/28(日) 05:14:03.67 ID:7L728IKno
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「さわちゃん……」
一年前の今日。
私はさわちゃんの言葉でようやく思い出した。
そして、私が今日のことを覚えていないと気付いたときのさわちゃんの表情の意味も理解した。
じゃあ、今日さわちゃんが私を誘った理由って。
「何度も忘れようと思ったんだけどね……」
さわちゃんは小さく溜め息を吐いた。
「一度別れて、唯ちゃんだって毎日学校で頑張ってるのに、私もいい加減忘れないとって」
さわちゃんは前を向いたまま、ぽつりと言った。
「だけど、やっぱり忘れられなかった……」
「ごめんね」と言うさわちゃんの声は震えていた。
私は熱くなる目元を隠すように、視線を窓側へ向けた。
もしかしたらずっとさわちゃんは私よりも私のことを考えてくれてたのかな。
付き合ってるときはそんなこと思わなかったのに。
いや、思わなかっただけで私自身が気付けなかったのかもしれない。
私だけが、さわちゃんのこと好きだって思ってた。
今日は記念日なんだ。
私がさわちゃんに“好き”と伝えてから、ちょうど一年目の記念日。
さわちゃんはちゃんと、覚えててくれた。
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