67:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank)[sage]
2011/08/28(日) 05:32:04.73 ID:7L728IKno
「……、さわちゃんっ……」
泣きたくないのに次々と溢れてくる涙が頬を伝う。
まるで一年前の自分に戻ったような感覚。
あの日の私もたくさん泣いて――だけど自分の気持ちはちゃんとさわちゃんに伝えた。
「さわちゃん……、あのね……」
だったら、今日もちゃんと言おう。
今日言わないと、さわちゃんが本当に遠くへ行ってしまう気がする。
「ずっと、言えなかったことあったんだ……」
私はさわちゃんの左手をとった。
久し振りに触れたさわちゃんの指は前よりも少し細くなったような気がした。
「私が卒業するまで待ってて欲しい」
やっと言えた。
「我儘だけど……、私はやっぱりさわちゃんとずっと一緒にいたいから……」
さわちゃんの薬指に光る指輪をそっと外して、傍らに置いてさわちゃんを見つめた。
そのまま手を握ると、さわちゃんの瞳が揺らいだ。
「さ、さわちゃん?」
目元を押さえて俯くさわちゃんにどうしようとうろたえていると、さわちゃんは顔を上げた。
そして光る目元を拭って、さわちゃんは小さく笑った。
「もう……、泣かせないでよ……」
さわちゃんはそう言って私をぎゅっと抱き締めた。
「さわちゃん……」
久し振りに感じるさわちゃんの温もり。
本当に心地良くって、やっぱり離れたくないと思った。
そして、大好きだって実感した。
さわちゃんの腕の中で私は小さく呟いた。
「……あと一年、か。長いなあ」
そしてふうっと溜め息を吐いて「待っててくれる?」と聞くと、さわちゃんはにっこりと微笑んで、
「ずっと待ってる」
と言ってくれた。
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